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「本当にそう思う」ということと、「本当にそうである」ということは、違うことだと覚えておこう。
だって、間違ったことだって、自分がそう思っているのだから、「本当にそう思う」と思えるわけだ。でも、間違ったことを本当だと思ったって、間違ったことが本当になるわけじゃない。
「自分がそう思う」というだけなら、それが正しいか間違っているかは、まだわからない。
自分ではそれを正しいと思っていたのだけど、ほかの人はそれを正しいとは思っていなかったとか、以前は正しいと思っていたのだけど、今は正しいと思わないとか、よく気をつけてみると、そんなことばかりじゃないだろうか。
だから人は、自分が思っていることが正しいことなのかどうか、常に「考える」ということをするわけだ。
池田晶子『14歳からの哲学』